「1495日の初恋」
「連絡しなくてごめん。寮だし、電話とか、なんて言っていいかわかんないし…。」
髪を掻きながら、話す姿はあの頃と変わっていなかった。
「ううん、全然大丈夫…。」
上原くんがそこにいるだけで、胸がキュンと音を立て、身体が熱くなる。
泣きそうになる。
嬉しすぎると、勝手に涙が溢れてくる。
そして、少しだけお互いの高校の話をした。
「結、ごめん、俺、もう行かなきゃ…部活、抜けてきたから…。」
「あ、うん、ありがとう。」
「またな。」
上原くんは自転車に跨り、高校に向かって走っていった。
見えなくなるまで見送ると、はーっと長く息を吐く。
緊張した…。
ドキドキがとまんない。
少し大人になっていた上原くんが、眩しかった。
やっぱりやっぱり、大好き。