「1495日の初恋」
嬉しい気持ちと寂しい気持ち。
複雑過ぎる胸の内。
嬉しかった気持ちは、一瞬で過ぎ去る。
残ったのは、寂しさだけ。
会えない寂しさより、会えたらもっと寂しくなった。
「逢見ての後の心にくらぶれば
昔は物を思はざりけり」とはよく言ったもので、逢う前の恋しい気持ちなんか、逢った後の恋しい気持ちに比べたら無いに等しいくらいだ。
中1の時、初めてこの歌を見たときは、その意味を深く理解することなんかできなかった。
けれど今は、少しだけわかるような気がする。
もちろん、歌の意味する「アレ」をしたわけじゃない。
ただ逢った、それだけなのに、この押し寄せて来る、猛烈な恋しさはなんだろう。
駅に向かって歩きながら、さっきの上原くんを思い出す。
ああ…今、会ったばかりなのに…もうこんなにも会いたいよ…