「1495日の初恋」
寂しい…。
会いたい…。
上原くん…。
歩いていた足を止め、もう一度振り返る。
やっぱりもう一度会いたい。
想いは膨らみ、自然と足が動き出す。
歩く速度はどんどん速くなり、やがて全力で駆け出した。
会いたい。
会いたい。
会いたい。
前方に、猛スピードで向かってくる自転車が見える。
あっという間に近づき、急ブレーキの音を響かせながら、わたしの前でピタリと止まった。
「…ゆ、い…まっ…て…。」
私は、信じられなかった。
だって、目の前に上原くんがいるなんて。
「やっぱり、もう一度、会いたくて…。」
上原くんは、荒い息のまま、自転車から降りてこちらを向く。
汗が光ってて…
ああ、ステキだなって見とれていたら、上原くんの手が伸びてきて…
その手が、私をぎゅっと包み込んだ。