「1495日の初恋」

「結、会いたかった…。」


突然抱きしめられて、どうしていいかわからない。

身体がピーンと突っ張ったまま。
心臓だけが、バタバタと騒がしい。


「来てくれて…ありがとう。」



強く、強く、引き寄せられる。

懐かしい…

上原くんの匂いとあたたかさ。
あの春の日を思い出す。

こんな風に、また抱きしめてもらえるなんて、思わなかった…。



「正月に、やっと家に帰れるから、それ、言いたくて…。」


思いがけない言葉に、胸が熱くなる。

わざわざそれを言いに、戻って来てくれたの?


ありがとう。



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