「1495日の初恋」
待ちわびて
2学期。
上原くんに会えたことを、亜紀に何度も話していた。
だって、本当に嬉しかったんだもん。
「いい加減、うるさいんですけど。」
亜紀は、声の主をキッと睨んだ。
「なによ?なんか文句あるわけ?」
「いや、別に…そんなに何度もおんなじこと言わなくても…。」
「嬉しいんだもん、何回だって言いたくなるんだよ。これだから、男ってヤダ。」
「…ごめんね、宇佐見くん。うるさかったよね。」
私は、隣の席の宇佐見くんに謝った。
「いいよ、謝んなくても。カズが耳塞いどけばいいんだから。」
「うるさいのはそっちでしょう?亜紀。」
亜紀と宇佐見くんは、同じ中学の出身。
だから、いつもこんな感じ。
仲がいいんだか、悪いんだか。
始業のチャイムが鳴り始める。
「結、こんなやつ気にしないで、また後で話そうね~!」
そう言って、亜紀は自分の席に戻った。