「1495日の初恋」



もしかしたら、あの神社にいるかもしれない。

中3のとき、上原くんが連れていってくれた神社。


バスに乗って30分ぐらい。

小高い丘の上にある神社。


やっぱりあの時と同じく、人はまばら。

キョロキョロと見渡す。



…お願い、ここにいて…。

祈るような気持ちで探したが、上原くんの姿を見つけることはできなかった。


どうして連絡…くれないの…。

力が抜けて、ベンチに座り込んだ。



周りは皆、お正月の華やかな飾り付け。

私の心とは、全く逆だ。



下を向いて、足で砂利を転がした。

ぶつけようのない不安。


気持ちが、深く深く沈んでいく。


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