「1495日の初恋」
お参りを終えて戻ってくると、宇佐見くんが自転車に跨っていた。
「上原さん、ここに乗ってください。」
「えっ?いいよ、そんな…悪いし…それに重いし…。」
「いいから、早く乗らないと怒りますよ。」
眉根を寄せて、少し怖い顔をする宇佐見くん。
「あ、は、はい…。」
私は、いそいそと宇佐見くんの後ろに座った。
「それじゃ、行きますか~!」
自転車は走り出した。
冷たい冬の風が、頬をかすめていく。
ああ、こうして上原くんの後ろに乗せてもらったな…。
私は宇佐見くんの背中を眺めながら、ぼんやりと考えていた。