「1495日の初恋」
救世主
「なんで、あそこにいたの?」
「あー、祖母の家、あの神社の近くにあるんです。」
「おばあちゃんち?」
「そう、正月は、毎年あそこでお参しているんです、俺は。」
「よく、私が分かったね。」
「だって、正月なのに、一人だけ暗黒オーラをバシバシ出している人がいたら、そりゃ気になりますよ。」
宇佐見くんは、私の方に身体を少しだけ捻って話し始める。
「ねぇ、ところで、その元彼の家、どこです?」
「えっ?」
「どこ?行ってあげますから。」
「ええっ!いいよ…迷惑になる。」
「迷惑かどうか、直接聞かなきゃわかんないでしょ。どこです?家!」
私が黙っていると、宇佐見くんは笑いながら大声で言った。
「言わないなら、勝手にどこかに連れていっちゃいますよーー!」