「1495日の初恋」
「えっ、それは困る…分かった、言いますー!」
そうして、あっという間に上原くんのうちに着いた。
「ちょっとここで待っててください。男の家だし、女の子が行くより、俺が行った方がいいでしょ。」
自転車を道路の端に止めると、宇佐見くんは上原くんの家のインターフォンを押した。
しばらく待つと、上原くんのお母さんが顔を出す。
宇佐見くんは、軽く頭を下げて、上原くんのお母さんと話しはじめた。
上原くんのお母さんは、紙に何か書いて宇佐見くんに渡した。
宇佐見くんは頭を下げて、ドアが閉まるのを待ってから、私のところに戻ってきた。
「…これ…見てください。」
私はその書かれた文字を見て、動けない。
「とりあえず、行ってみましょう。そこにいるっていってましたから。」
「う…うん…。」
宇佐見くんは、乗ってと言うように手を上げる。
私は、不安になりながら、もう一度宇佐見くんの後ろに座った。