「1495日の初恋」
宇佐見くんの愛し方
アルバイト
3学期。
私は、もう泣くのは止めた。
上原くんの話は、一切しなかった。
いつも笑顔でいるようにした。
誰にも、心配かけたくなかった。
もう、忘れたように…みんなの前では、そう振舞っていた。
でも、学校から帰れば、我慢していた気持ちが切れてしまう。
音楽を大きめにかけて、布団に潜って泣いた。
誰にも気づかれないように、一人で思いっきり泣いた。
そして私は、バイトをしようと思い立つ。
このまま、毎日泣いていてもしょうがないと、自分で決めた。
あの、文具店。
上原くんの誕生日の万年筆を買った、文具店で働くことにした。
上原くんが通った場所にいられる。
理由はただ、それだけだった。