「1495日の初恋」
初めての彼氏
修学旅行から戻ると、私の初めてのお付き合いが始まった。
私の初めての彼氏、矢島くん。
彼と付き合うことになって、分かったことがある。
矢島くんは、ウワサよりもずっとずっとモテるってこと。
確かに矢島くんは、誰が見てもかっこいい。
バスケ部の部長で背も高いし、明るくて誰とでもすぐ仲良くなれる。
それに、笑顔がとっても優しいの。
矢島くんは、後輩からよく告白される。
今日も昼休みに、2年の女子が来た。
「矢島先輩いますかー?」
「俺?」
「すいません、ちょっとこっちに来ていただいていいですかー?」
「なに?」
廊下に連れ出されて数分。
矢島くんが戻ってきた。
私の机の上に、ピンクの封筒を置く。
「もらっちゃった。」
私の顔を見て、にっこりと笑う。
「すごいね。モテるんだね、矢島くん。」
私の受け答えに、明らかに不満そうな顔をする。
「ねえ、上原さんはさ、やきもちとか妬かないの?」
「やきもち?」
「うん、やきもち。」
「あ、どうかな?」
私がそっけなく言うと、矢島くんはちょっと悲しそう。
「俺なんか、上原さんが他の男と話してるだけでもいやなのに。」
「…え、そうなの?」
「そうだよ。他の男と話さないでよ。」
「え?そんなの無理だよ。」
矢島くんはムッとした様子で、教室を出て行った。
他の男子と話さないでって言われても…。