「1495日の初恋」
だけど…幸せな時間は、あっという間に過ぎる。
「結、聞いて…。」
上原くんは、キスを止めて私を見つめた。
その表情も、声のトーンも、この先のことを暗示させるようなものだった。
「結をどうしても…最後に…もう一度抱きしめたかった…許して…。」
なに…?
どういうこと…?
最後って…?
「身体はここにはないけれど、心はずっと、結のところにあるから…。」
「上原くん…?なにいってるのか…わからないよ…?」
幸せの絶頂から奈落の底へ、一気に突き落とされたみたい…。
上原くんの瞳が、大きく揺れている。
「…由里子に後遺症が残って、手がうまく使えない…たぶん一生治らない…。
だから、俺がそばにいることにした。もう…どうにもならないんだ。」