「1495日の初恋」
「そんな…。」
「でも、どうしても、どうしても…結に会いたかった。結のこと、忘れることなんかできない。
毎日、結の夢を見る。こうして腕に抱いて、結はいつも俺に笑いかけてくれる。毎日毎日…見るんだ…もう、たまらなかった…会いたくて会いたくて…壊れそうだった。」
上原くんの目から、涙がスーッとこぼれて落ちた。
「許して…こんなことをしたら、結が辛いのはわかってる…でも、許して…結、好きだよ…ずっと…。」
私の前髪をかきあげ、おでこに口づける。
そして、両手で私の頬を挟んで、優しく優しく唇を重ねた。
「一緒にいられなくて、結を守ってあげられなくて…ごめん。」
髪に頬を寄せて、上原くんは私に言った。
「さようなら。」
身体が急に解放され、頬に残る温かさも、優しい匂いも、皆消えてしまった。
上原くんは、わーーーっと大声で叫びながら、走り去った。