「1495日の初恋」
ありがとう
…たすけて…
程なくして、受信ランプが光る。
「今どこ?」
宇佐見くんからだった。
「公園」とだけ返して、携帯を閉じる。
誰かと通じたかった…ただそれだけだった。
膝を抱えて座り、地面を見るともなしに見ていた。
ぼやけた視界に、スッと入り込む人影。
「見つけました。」
…えっ?
ふっと顔を上げれば、宇佐見くんの優しい笑顔。
驚いて、胸が詰まりそうになる。
「公園とだけしか言ってくれないから。ったく、どれだけ公園あると思ってるんですか。」
額の汗を拭いながら、宇佐見くんは言った。
「また泣かされたみたいですね。」
宇佐見くんは、ポケットからあのハンカチを出す。
「ほら、上原さん専用。」
そう言って、私の膝の上にポンと置いてくれた。
「立てますか?」