「1495日の初恋」




「家に電話しなきゃ…。」


私は、焦って携帯を取り出した。


「ちょっと、貸してください。」


宇佐見くんは、表示された番号に電話をかける。


「えっ?」


電話をしたのは、私の自宅だった。



「上原さんのお宅ですか?

はい、私は、上原さんのバイト先の店長をしております宇佐見と申します。
はい、お世話になっております。
いえ、はい、…すいません、今日はほかのバイトの子が急にお休みになってしまって、はい、急に頼んで、上原さんに終わりまで入ってもらっています。

はい、連絡が遅くなってしまい申し訳ありません。
閉店後、ご自宅まで送っていきますので、はい、すいません、よろしくお願い致します。

あ、そうですね、あと一時間ぐらいです。

はい、すいません。では、失礼いたします。」




私は唖然とした。

「はい。あと1時間は大丈夫です。」


宇佐見くんはニヤッと笑って、私の手に携帯を戻す。







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