「1495日の初恋」
「なんですか、そんな顔しないでください。」
「だって、あまりにもスムーズで…。」
「だったら、もっと褒めてくださいよ。」
「わあ、すごいすごい…。」
「なんですか、それ。…ほら、もう立てますか?」
そう言って、目を細めた。
「あ…うん。」
私はゆっくり立ち上がる。
宇佐見くんは、よしっと小さく言った。
「バイト先の店長には、バレないようにしてくださいね。」
口の前で人差し指を立てて、ナイショのポーズ。
私も同じように、人差し指を立てた。
「じゃあ…景気づけに、花火でも。」
「えっ?花火?」
「そう、花火。」
宇佐見くんはそう言うと、スタスタと歩き出した。
「えっ、ちょっと待ってよー!」
「ほら、早く来ないとおいていきますよーー!」