「1495日の初恋」
「お、おい、なんで泣いてるんです?」
「ううん、ごめん…なんか、ごめん。」
胸がいっぱいで、うまく話せなかった。
ごしごしと涙を拭いても、次から次へとこぼれる涙。
宇佐見くんは、そんな私を見て言った。
「そっか、じゃあ…好きなだけ泣けばいい。」
「聞かないの?」
「ん?」
「理由。」
「あー、いいです、別に。」
「…。」
「上原さんをさ、そんなに泣かせるやつなんて一人しかいませんし。」
「…。」
「あいつですよね?」
私は小さく頷いた。
「まー、あれですよ。たぶんあいつも、同じように泣いてると思うんです。
正月に話した時に思ったんですけど、あいつ…いいヤツですね。」
「…宇佐見くん…。」
「俺は、男だから、あいつの気持ちも分かります。もし同じ状況だったら、俺だって同じことをするだろうし。…だから、俺が言うのもなんだけど、もう少し待ってみたらどうです?」
宇佐見くんの言葉が、ズンと胸に響く。
涙が溢れて止まらない。