「1495日の初恋」
「…上原さん、顔色悪いですけど、具合悪い?」
「え、あ…大丈夫。」
本当は胃がキリキリと痛んで、気分も悪かった。
なんで分かるんだろう、宇佐見くん。
「無理すんなって言ってるでしょう?」
そう言って、ポケットから胃薬を出して私にくれた。
「とりあえず、これでも飲んで。」
「あ…ありがと。ほんとは胃が痛くて…。」
「そうなの?もう、ちゃんと言わなきゃダメだよ!」
ああ、こうして二人に心配されていることも辛い。
なんで来ちゃったんだろう…辛いことばっかり…楽しい合宿になんか、なるはずがない…。
私は期待していたのかもしれない。
もしかしたら上原くんが、私のところに戻ってくれるんじゃないかと…
ほんとに、バカだ、私は。
そんなこと、もう…永久に…あり得ないのに…。