「1495日の初恋」
変わらぬ想い
宇佐見くんの足音が、パタンパタンと遠ざかっていく。
上原くんは、ふうっと大きく息を吐いた。
「上原くん…なんで…ここに?」
「ああ…あいつに呼び出された。11時半に来いって。…あっ…!」
上原くんはそこまで言って、下唇に親指をあてる。
「そっか…あいつ…わざと…。」
「えっ…?」
「…いや、なんでもない。」
上原くんは、私の正面に座って、顔を覗き込むようにして話しはじめた。
「結…いっぱい泣いたのか…?」
「…ううん…泣いてないよ…。」
「うそだろ?」
上原くんは優しく笑う。
私は下を向く。
「ごめんな。」
そう言って、私の頬に触れる。