「1495日の初恋」
私は、歩き出そうと伸ばした足を引き戻した。
「あいつとは…うまくいきましたか?」
離れた場所から、私に向かって問いかける。
宇佐見くんの表情までは、ここからはわからない。
「…うん…。」
「そっか、よかった。」
宇佐見くんは、空を見上げていた。
「宇佐見くんは…なんで、いつも私を助けてくれるの?」
「えっ?上原さんはいつも突然ですね…。」
宇佐見くんが私に背を向け、手すりを掴んだ。
つま先を二回トントンとならして、もう一度振り返る。
「なんでって…そりゃあ…友達だからですよ。大切な友達だからです。」
「友達…?」
「そう、友達。それ以上でも、それ以下でもない。」