「1495日の初恋」
亜紀は背中を向けていたから、私には気づいていない。
全速力で体育館に戻ると、もう何も考えたくなくて、ただひたすらシャトルを打った。
亜紀は、練習には戻ってこなかった。
宇佐見くんも…。
午後5時、合宿が終わった。
あれから、上原くんとは、一言も言葉を交わすことができなかった。
由里子さんと一緒にいる上原くんを、昨日と同じように、遠くから眺めているしかできなかった。
昨日と何も変わらない。
昨夜の話は夢だったのかと思うくらいに、何の変化もない一日だった。
触れる温かさを知っているから、余計に辛い。