「1495日の初恋」
…付き合う…
亜紀が出ていって、部屋には一人。
保健室での二人のキスが、否応なしに思い出される。
宇佐見くんと亜紀…
そっか…うん…お似合いだね…
そっか…そっか…。
宇佐見くんが好きなのは、亜紀だったんだ…。
昨日は、告白のシュミレーションでもしたんだろうな。
私を使って…。
私は荷物を肩にかけて、部屋を後にした。
一人で歩く坂道は、とても長く感じる。
言いようのない寂しさが、私を支配していた。
二人が付き合って喜ばしいことなのに…。
息を切らせて駆けつけてくれた宇佐見くんは、もういない。
宇佐見くんが、いつもそばにいてくれたから、私は泣かないでいられたんだろう。