「1495日の初恋」
「次は、またいつ会えるか分からない…だから、結をたくさん見ておきたいんだ…。」
心が、ギュッと掴まれるみたいだ。
分かってる…上原くんの気持ちも、置かれている状況も、全部、分かってる。
「…私も…同じだよ。」
「だから、もっと…近づいてもいい?」
私は小さく頷いた。
上原くんとの距離が、少しずつ狭くなっていく。
私は目を閉じた。
そっと触れる唇が、私の心をすべてさらっていってしまう。
キスの波は、まるで電流が流れるかの如く、一瞬にして私を貫く。
上原くんは、私にたくさんのキスをくれた。
会えなかった時間を取り戻すように。
だけど、背中に感じる壁の冷たさが、どうにもならない現実を物語っていた。