「1495日の初恋」
心の置き場所
「初詣…行こうか。」
上原くんと一緒に、あの神社に向かった。
境内は人もまばらで、すぐにお参りをすることができた。
「この後は…?」
私が聞けば、今日は用事があって、もう家に帰らなくてはいけないと、上原くんは言う。
「いつまでこっちにいられるの?」
「3日に向こうに帰る。」
だから、また明日も会おうと言ってくれた。
出口に向かって歩く私たちは、後からくる人たちにどんどん抜かれていった。
名残惜しくて、帰りたくない気持ちが、歩く速度を遅くする。
まだ一緒にいたい…そう思って、上原くんの手を強く握った。
上原くんの手もまた、それに応えてくれるかのように、ギュッと握り返してくれる。
すり足で砂利に線を引くようにして歩いた。
痕を残したかった。