「1495日の初恋」
「ああ…従妹…なんですね?」
従妹…。
私は、黙ったまま俯いていた。
心のなかが、黒い雲でびっしり埋め尽くされていく。
「それより、なんで由里子がここにいるの?」
「海斗くんのお母さんが、ここにいるって教えてくれたんだよ。」
「うちに来たの?」
上原くんは、驚いた様子で尋ねた。
「うん、だって…会いたくて…。」
「たった3日じゃないか。それに由里子も家に帰るって言ってたよな?」
「帰ったよ。でも、やっぱり海斗くんに会いたくなっちゃって…。」
上原くんは、ふうっと小さく息を吐く。
「今日は…どうすんの?」
「海斗くんのお母さんがね、泊まっていいって言ってくれたから、今日は、海斗くんの家に泊まらせてもらうね。うちのお母さんもいいって言ってたし。」
「なんだよ、それ…。」
「…えっと…それで、海斗くんのお母さんから、用事があるから連れて帰ってきてって頼まれたから、迎えに来たんだよ。海斗くん、早くうちに帰ろう。」