「1495日の初恋」
優しさに包まれて
「宇佐見くん…。」
完敗だ…。
宇佐見くんの顔を見ると、反射的に涙が出てきてしまう…。
「なんで…いつも…いるの…。」
「だって、この神社、ばあちゃんちの近くで、正月にはいつも初詣に行くって…去年ここで会ったときに言ったじゃないですか…。」
ああ…そういえばそうだった…。
私は両手で顔を覆った。
涙が次から次へと溢れて止まらない。
宇佐見くんは、困ったような顔をしている。
「俺だって、居たくているわけじゃないよ…俺にしてみれば、俺が行くとこになんでいつも上原さんがいるんだって思うよ…。」
ああ、そうだよね…。
宇佐見くんの言うことはもっともだ…。
「これじゃあ…忘れたくても忘れられない。」