「1495日の初恋」
「えっ?」
「いや…こっちの話。」
♪♪~~
宇佐見くんの携帯が鳴った。
画面を見てから、私に背を向けて話しはじめる。
「はい…うん…あ…そうだよね、うん…それなんだけど…ごめん、亜紀。…急用ができて、今日はいけなくなって…ああ、うん、ごめん…じゃ、また…。」
宇佐見くんは、電話を切ってポケットにしまう。
背中を向けたまま、つま先で砂利を蹴り、茶色い土がむき出しになった。
「…時間…大丈夫?」
鼻をグズグズさせながら、宇佐見くんの背中に問いかけた。
宇佐見くんは答えない。