「1495日の初恋」
「泣いていいんです。頑張った人は」
「宇佐見くん…。」
「ここ、貸してあげます。」
宇佐見くんは、戸惑う私を胸に抱き寄せた。
「もう…あんなやつ忘れて」
「そんなの…できない…。」
「なんで?あんなやつのどこが?いつもいつも泣かされて…それなのに、あんなやつの何がいいんです?」
「…分かんない…。」
何がいいのかなんて、分かんないよ…。
だって、ただ好きなだけなんだから…。
「俺は…ずっと、上原さんが好きでした。」
「…えっ?」
宇佐見くんは、抱いていた腕を緩めて、私を強く見つめる。
突然の告白に、頭の中が整理できない。
「だから…俺と…。」
宇佐見くんの顔が、どんどん近づいてくる。