「1495日の初恋」
好きな人の幸せは自分の幸せ
「さっ、行きますか。」
宇佐見くんは、私に背を向け歩き出す。
「ほら、早く。」
「あ…まって…。」
そうして、たどり着いた場所は駐輪場。
宇佐見くんは、止めていた自転車に跨った。
「はい、乗ってください。」
「えっ…なんで?」
「なんでって…決まってるでしょ、あいつの家に行くんですよ。」
「上原くんの家?」
「そうです。だから早く。」
「でも…。」
「いいから、早く。」
私はわけもわからず、後ろに座った。
宇佐見くんの自転車は、ゆっくりと走り出す。