「1495日の初恋」




由里子さんの声は、だんだん涙声になる。


「ずるいよ…私のことだけ見ててよ…好きな人…諦めたって…別れたって言ったじゃない…。」



上原くんは、ずっと黙っている。



「私の言うとおりにするって…言ってくれたじゃない…俺が責任を取るって…。」



上原くんが顔を上げて、ゆっくり話しはじめる。



「由里子…俺、高校出たら働くから。俺も、お前と同じようにバドミントンを辞める。働いて、腕の治療費は、俺がちゃんと払っていくから…だから…。」


「だから、離れるって言うの?…なんでよ、なんでそんなこと言うの?…あの人でしょ?さっき神社にいた…あの、従妹…あの人、従妹じゃないよね?」



「…ああ…違う。」



「お正月に家に帰るって言ったとき、おかしいと思ってた…絶対…なんかあるって。…あの人、諦めたって言ってた彼女なんでしょ…?」




「…。」



「まさか…まだ好きなの?」




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