「1495日の初恋」
夕方、図書館を出て、三人で歩く帰り道。
綾香と美紀は、ファーストキスの話で盛り上がっている。
「ね、結も行くでしょ?もう矢島には言っといたから!」
えー!私、行きたくないよ…だって水着でしょ…?
「私はいいよ。予定あるし。」
「何言ってんの?思い出作りしようよ、ね!」
…結局私は押し切られ、みんなと海に行くことになった。
日曜日。
お弁当の用意をして、待ち合わせの駅に向かう。
綾香と美紀は、先に着いていたようで、私の姿を見つけると、大きく手を振ってくれた。
「結ー!こっちだよー!」
二人とも、かなり気合いの入った服装。
私は、色々着てみたんだけれど、なんかよく分からなくなって、結局いつもの白いTシャツにジーンズ。
やっぱり、あっちのワンピースにすれば良かった。
自分の服を見て、小さくため息をついた。