「1495日の初恋」
亜紀は地元の短大に進学し、保育士を目指すという。
宇佐見くんも地元。
大学で、語学を学びたいと言っていた。
私は将来、服飾関係の仕事に就きたいと思っている。
その中でも、特に舞台衣装を学んでみたい。
中学の文化祭で衣装を作ったことがきっかけとなり、高校でも演劇部の衣装を担当していた。
自分でデザインして、衣装を作り出す楽しさを、もっと味わいたかった。
だから、無理を承知で、東京の美大を目指していた。
…上原くんの進路は、わからなかった。
あの時は、高校を辞めたら働くと言っていたけれど…。
お正月にならないと、連絡は取れない。
きっと上原くんは大丈夫だと、空を見上げて思った。