「1495日の初恋」
前進
また、新しい年が来た。
上原くんから連絡があった。
最後にあった日から、一年が過ぎていた。
全国大会を控えているから、日帰りの帰省になるという。
ほんの少しの時間しか会えないけれど、どうしても私の顔が見たいと書いてあった。
嬉しくて、嬉しくて、携帯を抱きしめる。
話したいこともたくさんある。
上原くんに会えるまであと数時間。
ホームへの階段を昇る。
上原くんに会うために、何度も昇った階段。
一段上がるたびに、ドキドキが増していくのが分かる。
電車到着のアナウンス。
待ってる時間が一番緊張する。
電車が滑り込んでくる。
流れる窓を必死で目で追って、上原くんの姿を探す。