「1495日の初恋」
目の前のドアから、上原くんが降りてくる。
いつもそう。
上原くんを目にするだけで、胸がいっぱいになって、こんなに苦しい。
「ただいま。」
そう微笑む姿は、一層逞しくなっていて眩しいくらいだ。
「おかえり…。」
何だか照れてしまって、下を向いた。
上原くんの後ろから、女の子の靴が見えた。
「…こんにちは。」
その声に顔を上げれば、由里子さんだった。
「結さん…ですよね?」
由里子さんは、私に話がしたいからと、上原くんに頼んで連れてきてもらったという。
上原くんは、駅前のファーストフードにいるからと私たちに告げて去っていく。
「時間がないところをごめんなさい…結さんと2人でどうしても話がしたくて…少しお時間よろしいですか?」