「1495日の初恋」




由里子さんは、体つきも顔つきもすっかり変わっていた。

それは、たくさん練習をしたのだと、一目でわかるものだった。



そして、何より驚いたのは、ギブスが外れていたということ。



「…海斗くんやチームのみんなのおかげで、また選手に復帰することができました。小さな大会からですが、そこに海斗くんと組んで出場します。
海斗くんは全国大会を控えているので、私はダブルスを組まないでいいと言ったのですが…私の復帰の試合に俺も一緒に出て、必ず勝たせると言ってくれました。
その大会が一週間後にあります。
結さんにも見に来てもらえたらと思って、お話させていただきました。」



左手はリハビリの成果が出て、ギブスをはずして少しずつ動かせるようになったという。

リハビリにも、文句ひとつ言わず、上原くんは付き合ってくれたそうだ。



「本当は…結さんに会いたかったんだと思います。」

そう言って、由里子さんは左手をさすった。




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