「1495日の初恋」
「上原くんの進路は?高校出たらどうするの?」
「俺は…就職するよ。」
上原くんは、そう言って俯く。
「バドミントン…続けないの?」
「うん…できないよ…俺、由里子の腕を台無しにしちゃったからさ…償いたいんだ…。」
「由里子さんは、上原くんにバドミントンを続けてもらいたいって言ってるよ…。」
「知ってる…でも、そんなの…。」
上原くんは悩んでいるようだった。
「じゃあ、どうしたらバドミントンを続けてくれる?」
「そうだな…俺と試合して、結が俺から一点でも取れたら考えてもいいよ。」
「えー…そんなの、無理だよ…。」
「そう、無理なの…無理なことなんだよ。俺は、そうするって自分で決めたから…もういいんだよ。ありがとう。」
私の髪をくしゃくしゃにしながら小さく微笑んだ。