「1495日の初恋」
そして…試合当日。
まずは、上原くんと由里子さんの試合を3人で観戦する。
由里子さんばかり狙われているのが分かる。
でもそれを、上原くんが全てフォローしていく。
どんな球でも、瞬時に反応して返球してしまう。
ほんとに…すごい。
圧巻だった。
ここにいる誰よりも一番だった。
しかも、フォームがきれいで、上原くんが決めるたびに感嘆の声あがる。
こんなにも、見ている人を魅了するプレーができる人だったなんて…
なんとしても由里子さんを勝たせてあげたい。
上原くんのその想いが伝わってくる。
真剣な眼差し。
身体から湧き上がる気迫。
心を揺さぶられて、涙が溢れる。
試合を見てほしいと言った、由里子さんの気持ちがよくわかった。
私、絶対に、上原くんから一点を取らなきゃいけない。
絶対に、絶対にだ。
上原くんは絶対にバドミントンを続けなきゃいけない人だ。
握る拳に力が入る。