「1495日の初恋」
何度やっても、サーブを受けることさえままならない。
上原くんは本気だ。
手なんか抜いてない。
10対0
「まだ続けて!」
20対0
「…まだよ!」
30対0
「…まだ…やめないから!」
…もう何球打っているかもわからなくなった。
由里子さんも、宇佐見くんも、亜紀も、大きな声で私を励ましてくれる。
「がんばれーーー!!」
「あと少し!!」
「取れるよ!!」
「右だよ右!」
「少し下がって…すぐ前に体重移動して!!」
「よく見て!」
3人の声援が、私を突き動かす。