「1495日の初恋」
ラインに落ちたシャトルを見つめて、上原くんがつぶやいた。
「俺…やっぱり…バドミントン…続けたい…もっともっとうまくなって…オリンピック…目指したい…。」
「もう、当たり前じゃない!一点取ったんだから、ゴチャゴチャ言わずに続けるの!!」
亜紀が、私の代わりに言ってくれた。
それを聞いたみんなが、にっこりと微笑んだ。
温かな空間だった。
みんなの優しい気持ちが、上原くんを包んでいた。
「由里子…最初の約束とは違うけど…俺…バドミントンを、続けてもいいか…。」
「うん…うん…うん…
由里子さんは、泣きながら何度も頷く。
上原くんはありがとうと言って、由里子さんと握手を交わした。