「1495日の初恋」
上原くん…よかった…本当に、良かった…。
私は顔を上げた。
「ううん、私ね…上原くんの姿を見て、私も夢に向かって頑張りたいって…夢をかなえたいって…そう思ったんだよ…私こそ…ありがとう。」
上原くんの瞳から一筋の涙が伝う。
「もう…やだ、なんで上原くんが泣いてるの?」
「結が泣かしたんだろ?」
私は、上原くんの涙を手のひらで拭った。
「大好きだよ…ずっと応援してるから、頑張って。そして、いつか私をオリンピックに連れていって!」
「ああ、約束する。」
私は上原くんの首に腕を巻きつけ、自分から唇を寄せてキスをした。
汗と涙が混ざったキスは、少しだけしょっぱい味がした。