「1495日の初恋」






「…結…。」



名前を呼ばれて振り返ると、目を真っ赤にした亜紀が立っていた。



「亜紀…。」



亜紀は私に抱きついて、大声で泣いた。



こんなに突然いなくなるなんて思ってもいなかった…。

もっと、ちゃんとありがとうを伝えたかったよ、宇佐見くん。







沈んだ気持ちで教室に戻り、席に座った。

空いた宇佐見くんの席を見ると、ため息が出る。



俯けば、机の中から黄色いものが飛び出ていた。

尖った先をゆっくり引っ張ると、あの黄色いハンカチがそこにあった。














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