「1495日の初恋」





家に帰って、ベッドに寝転んだ。



メールの着信。

上原くんからだった。



「オリンピック強化選手として、中国に行くことになった。また離れてしまうけれど、結のこと、ずっと想っているから。」



そう書かれていた。


ああ…上原くんもまた、遠くに行っちゃった。



私の周りから、みんないなくなってしまった。

漠然とした寂しさが襲ってきて、とめどなく涙が溢れた。





東京での初めての一人暮らし。

新しい学校。



私を取り巻く環境は、めまぐるしく変わっていくことだろう。


それでも、上原くんへの想いだけは変わらずに持っていられる。



あの約束がいつか叶う日まで。

私は、あなたをずっと好きでいる。



ターコイズのネックレスを握りしめ、私はそっと目を閉じた。





細く開いた窓から、温かな風が吹き込んできた。


春は、もうすぐそこまで来ている。












~end~



















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