「1495日の初恋」
「今日ここで、文化祭の時の貸しを返してもらおうかと思ってる。」
「か…貸し…って?あっ!貸し…。」
そうだった…一緒にボタンをつけてくれて、私の家まで送ってくれたあの日、上原くんに貸一つって言われていたっけ。
「あ、うん、だから、漫画とか…明日買って持ってくるよ。」
「違う、そんなのいらないって言っただろ?」
「あ…そっか…じゃあ…どうすればいい?」
上原くんは、私の正面に立って深呼吸をした。
「あのさ…ケジメつけたいんだ。」
「え?ケジメって?」
上原くんは、カバンから教科書を出す。
「これ…結にくれてやる。」
「教科書…?」
私は、上原くんが差し出す教科書を手に取った。
ペラペラとめくれば、上原くんの描いた漫画が動き出す。