「1495日の初恋」
見つけてくれて、ありがとう…か。
よかった、見つけられて。
私は、教科書のページに唇を寄せた。
インクの匂いが、鼻先をかすめる。
ずっとそうしていると、上原くんに包まれているような気がした。
目を閉じて、深呼吸をする。
会いたくて、涙がこぼれた。
こうして、上原くんのお手紙の謎は解け、私はちゃんと借りを返すことができた。
この先もずっと、何度も開いて読み返すことになるだろう。
あの日の、柔らかな風の匂いとともに。
変わらない想いが、あの場所に、そして、私の心にある限り。
「あなたを知りたい」
番外編「上原くんのお手紙」
~end~