「1495日の初恋」
周りに泳ぐ人はいなくなり、気付けば広い海に私たち2人だけ。
ちょっと不安になる。
「矢島くん、そろそろ戻ろうよ。」
「うん、でも、もう少し。」
「もう少し?」
「うん、もう少し、二人で、いたい。」
そう言って、浮き輪にかけていた手を私の首に回してくる。
…えっ?なに?
矢島くんの顔、すごく近くて近くて…逃げようにも逃げられない。
「上原さん、お願いがあるんだけど…。」
…お願い?
「キス…したい。」
キス!
キス?
キスって、あのキス?
頭の中パニックで、どうにかなりそう。
どうしよう?
どうしたらいい?