「1495日の初恋」
「…大丈夫?」
霞がかかったような、ぼんやりとした景色。
白い部屋。
俺を覗き込む誰か。
…上原さん?
来てくれたんですか…。
ああ…俺、嬉しいよ…。
伸ばした手をギュッと掴まれ、ほっと安心した。
やっと、やっと来てくれた…。
「すごい汗…。」
俺の額に、冷たい感触。
薄桃色の笑顔にかかる霞が晴れ、その表情が明らかになった。
「えっ…亜紀…?」
「そうだよ。心配だったから、見に来たんだよ。」
亜紀はそう言って、俺の手を握りなおした。
「うなされてたよ。変な夢でも見た?」
「…いや…大丈夫。」