「1495日の初恋」
「あのね、カズ。きっとカズもそうだと思うけど…好きな人の役にたつことは、悪いことでもなんでもないよ。むしろ、私のしたことで喜んでくれたら、私もすごく嬉しくなる。
今の私がカズにできることは、結をここに呼んでくることぐらいだから。」
そう言って俺を見下ろす亜紀の目から、涙がツッと伝って俺の頬に落ちた。
亜紀の言葉は、今の俺には優しすぎる。
「やめろよ…俺は…自分がそうするのは何とも思わない。だけど、亜紀がそんな風にするのは嫌なんだ。」
「バカね…カズは。優しすぎるんだよ。でも、そういうところが好きなんだけどね。」
「お前、好き好き言うなよ。慣れてないんだから、俺、そういうの。」
「知ってるよ。だってずっと見てきたから。」
泣いてるくせに笑う亜紀。
そんな顔見せるなよ、辛くなる。