「1495日の初恋」
「矢島くんは…怒って…海に…。」
「怒る?なんでだよ?あいつ、結のこと、すっげー好きなんだぜ?」
「私が…悪いから…。」
「結が悪いわけねーだろ?ったく、あいつ、何やってんだよ!」
救護室のベッドに寝かされ、おでこを冷やした。
頭が痛い。
ズキズキ響く。
軽い熱中症だと言われた。
上原くんは枕元に座り、心配顔で私を見下ろしている。
「大丈夫か?今、矢島を呼んでくるから、待ってろよ。」
「うん、ありがとう。」
「上原くん、綾香は?」
「美紀と話があるって、どっか行ったよ。」
「そっか…。」
見られてない…
よかった…。
「余計な心配するな。」
上原くんは、私の頭をポンと叩いた。
胸がキュンと音を立てる。
一気に心臓が踊り出す。
「矢島にはうまく言っておくから。」
上原くんは、いつもの優しい笑顔を残して、部屋を後にした。
胸が、痛い。
優しくされればされるほど、感情が溢れそうになる…。