「1495日の初恋」
運動会で大接近
閉じ込めた想い
9月。
運動会。
私が一番苦手な行事。
100m走とか持久走とか、一体誰が考えたんだろう。
運動会の練習なんて、大嫌い。
小学校の時から、憂鬱で仕方がなかった。
けれど、今年の運動会は違った。
私でも、やればできるんだっていうこと。
運動会が、こんなにも楽しい行事だっていうこと。
それを実感させてくれたのは、上原くんだった。
あの海から、矢島くんとはぎこちない。
もちろん、キスの話は一切出ない。
お互いになんとなく距離を置いていた。
私は、矢島くんにさよならを言えなくなっていた。
さよならを言う怖さより、何も言わない怖さを選んだ。
どうにもならない上原くんへの想いは、心の箱にぎゅっと閉じ込めた。