「1495日の初恋」
「ねー、聞いてよー!上原ってー、いつもはあんななのに、キスのときはすっごく強引なんだよー!」
綾香は、あの日のキスを私に言いたがる。
もう何度も聞いた。
本当は、聞きたくない。
想像しただけで、胸が痛い。
心の奥に閉じ込めたはずの、上原くんへの想い。
綾香の話を聞く度に、心がキシキシする。
どうしてまだ、こんなに苦しいんだろう。
どうしてまだ、こんなに泣きたくなるんだろう。
隣の席に座る上原くんは、いつもと変わらない。
どうせなら、変わってくれた方がいい。
もっとベタベタしててくれたら、スパッと諦めがつくのに。
もっと見せつけてくれてたら、ちゃんと忘れられるのに。
この席が辛かった。
早く席替えしたかった。
2学期の初めは、ずっとモヤモヤしながら過ごしていた。
そこに、訪れた運動会。
最悪のタイミング。
矢島くんのこと、綾香のこと、上原くんのこと…それだけでも憂鬱なのに、
運動会なんて、やってらんないよ。